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右翼と左翼

「右翼」と「左翼」の違い、説明できますか? 時代や場面によって微妙なニュアンスの違いがあり、多様化する現代社会ではこの二つだけでは分別しきれない社会ですが、出来るだけわかりやくす分類してみましたのでよろしければ最後までご覧いただけると幸いです。

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右翼と左翼

端的にいうと、右翼・左翼というのは政治的な立場や社会思想といったイデオロギーの違いを表す言葉です。

右翼と左翼を分類

左翼右翼
革新的保守的
理想主義現実主義
共産主義資本主義
リベラル保守
大きな政府小さな政府
市民貴族・王族
自由・平等伝統的秩序
天皇制に反対天皇制の維持
国旗、国歌斉唱に反対国旗、国歌斉唱に賛成
外国人参政権に賛成外国人参政権に反対
夫婦別姓に賛成夫婦は同姓であるべき
憲法改正(憲法9条)に反対憲法改正に反対
軍拡に反対・自衛隊は違憲国際状況に合わせて軍拡もあり
古い伝統を捨て人権を大切にしよう愛国心を持ち日本の伝統を守る

日本の国政政党

まずいわずもがなですが、一番左側の立ち位置の政党が共産主義を掲げる日本共産党です。それより少し右寄りが社会民主主義を掲げる社民党、そしてもう少し右寄りにリベラル政党の立憲民主党やれいわ新撰組が位置しています。自民党と連立与党の公明党も中道から少し左寄りという印象ですね。

国民民主党は中道政党で元民主党の中から左派的な考えの人が立憲民主党に、保守的な考えを持つ人が国民民主党に合流したと考えられます。そして、政権与党の自民党は中道右派の保守政党となりますが、自民党は多数の国会議員や党員を抱える政党で党内でも多種多様な政治思想を持つ人が集まっている党といえます。日本維新の会も基本的な立場は自民党と同じく保守政党とされています。元NHK党の政治家女子48党に関してはよくわかりませんが、立憲民主党や共産党を批判する場面も見れるので保守的な考えが強い政党といえそうです。

なぜ右翼・左翼という呼ばれ方になったのか

右翼・左翼、右派・左派のように左右で呼称するようになった語源は中世のフランスにありました。
当時のフランスの政治体制は王様が中心となり政治を行う「王政」で国の運営が行われていましたが、フランス革命によりこの体制が崩壊。これによりそれまでは貴族や高級聖職者しか参加できなかった議会に平民の参加が可能となりました。
※ここで言う平民はブルジョワジーと呼ばれる経済界の大物や大学教授など今でいう上級国民的な存在です。

議会では議長から見て右側に貴族や高級聖職者など旧特権階級が、議長席から見て左側に平民の勢力が座る事になりました。

▼右側に座っている旧特権階級者の考え
自分たちが優遇されている社会制度を変えずに今のままでの状態を望んでいる

▼左側に座っている平民勢力の考え
税金を払っているにも関わらず特権階級が優遇されている今のシステムを変える事を望んでいる

このことから、右側に座っている人たちは保守派、左側に座っている人達が急進派と呼ばれるようになりました。この右側が保守派、左側が急進派という議会のルールは近代が始まった他の国でも同じような構造になり、ここから右翼、左翼という言葉が定着したと言われています。

右翼、左翼は英語ではright wing、left wingと表現されます。

現代の考えかたでは

現代の政治のイデオロギーに照らし合わせてみると右が保守派、左が急進派という単純な構図にはなっていません。では、現代の右翼、左翼はどのような思想を持っているのかというのを考えてみましょう。

左派の基本的な考え方は政治においてより平等な社会を目指すための社会変革を支持する、労働条件、社会保障、福祉などにおいても差別のない平等な社会の望むという考え方です。

共産主義

そして左派の中でも最も左寄りの思想が共産主義です。かつての大国ソ連や中国等が代表的な国家となります。日本の政党では共産党がその位置にあります。この共産主義というのは政府がありとあらゆる物を管理する国民がどのような仕事をするかも政府によって決められます。すべての人が同じ量の土地を持ち同じ量のお金を持ち同じ量の仕事をする、そして国民が持つ全ての物は個人の持ち物ではなく国家の所有物という事になります。特に農業等の生産手段を共有するこから日本では共産主義と呼ばれるようになりました。このように共産主義の思想には貧富の差がなくすべての人が平等な素晴らしい世界を目指すという考え方です。

しかし、これは現実では全く機能しない事が実証されています。
仕事をするにしても、頑張っても頑張らなくても給料を変わらないし上がらないとなれば普通の人なら大体頑張らない事を選ぶでしょう。結局、共産主義とは理想だけのお花畑論、という結果になってしまったのです。いや、むしろ共産主義国家はその理想とは真逆の状況になってしまっているとも言えるでしょう。

社会民主主義

共産主義よりもう少し右寄り、中道左派とも呼ばれる政治体制が社会民主主義という社会システムです。現在の北欧や少し前のフランスがこの政治体制をとっています。日本ではかつて存在した日本社会党、現在では社民党がその位置にいます。社会民主主義では政府が多くの税金を集め手厚い社会福祉を行っており、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーの北欧三ヶ国では標準消費税率が22%~25%と日本の2倍以上に設定されているのです。しかし、これにより貧しい人にも医療や教育を平等に与える事が可能となり、お金を多く稼ぐ人には多額の税金が課せられて低所得者には税金が掛かりにくい形で平等を目指す政治を行っているのです。

この様に集団の中で平等を求めるのが、基本的な左派の考え方となります。

リベラル・リベラリズム

リベラルとは「自由な」「個性を重んずるさま」「自由主義者」などを意味する英単語で政治的思想ではリベラリズム(自由主義)、リベラリスト(自由主義者)を表す意味で使われます。政治的に穏健な革新をめざす立場で社会的公正や多様性を重視する自由主義社会自由主義を主体とする考え方です。

日本では野党第1党の立憲民主党がリベラル政党でリベラル派の考え方としては、護憲派(憲法改正に反対)、自衛隊は違憲、原発反対、夫婦別姓に賛成、総理大臣の靖国参拝に反対などがあります。しかし、現在の立憲民主党はモリカケ問題やコニタン文書等での自民党批判に注力しすぎて「政党としての政策が国民に受け入れられている」というイメージはあまり無いように感じられ、野党第1党の座を日本維新の会に奪われてしまう可能性すらあります。

保守主義

保守主義とは革命などの急伸的な革命に反対し、その社会で伝統的に累積された社会的・政治的・宗教的な秩序などを重視する立場で、政権与党の自民党が保守政党です。自民党は「反共産・社会主義、反独裁・統制的統治」と「日本らしい日本の確立」を目的として「政治は国民のもの」との原点に立ち立党された党と自民党の綱領で謳われています。

しかし、多様化する現代においては保守と言ってもいろいろな考えがあり簡単に一括りには出来ない側面もあります。

極右・極左

極左

左に振り切った人々は極左、極左暴力集団、過激派などと呼ばれ、かつての日本赤軍や、現代では革マル派、中核派などが当てはまります。これらの集団は社会主義・共産主義革命を目指しており平和な民主主義を暴力によって破壊する事を企てている危険な集団です。極左集団は原発問題や米軍基地問題などの社会情勢を反映した問題に暴力性・党派性を隠して入り込み集会やデモの場で同調者の獲得を目論む活動を行ったり、組織の高齢化から若者の獲得を目指し大学における自治会活動やサークル活動に介入するなどその存在は意外と身近にあるかもしれないので要注意です。

極右

右に振り切った人々が極右、急進右翼、超右翼、過激派と呼ばれ、思想は極端に右寄りで自身の帰属する国家・民族に対して絶対的に優越する信条を持ち他民族に排他的な考えを持っています。

街宣車を使って政治的主張を流布している右翼は街宣右翼と呼ばれ、黒塗りの大型車両に旭日旗や天皇を表す紋章である十六葉八重表菊、政治的スローガン等を描き軍艦マーチ等の軍歌を大音量で流しながら走行します。また、暴力団傘下の団体も存在し暴力団傘下の団体には在日韓国人・在日朝鮮人や被差別部落出身者が含まれているケースもあるそうです。桜井誠氏が党首をつとめる日本第一党はかなり右寄りの考えを持つ政党として有名ですね。

このように右も左も極端な人達は暴力的になってく傾向があります。

まとめ

結局、人の思想に「これが正解だ」という答えは無く、その人がなにを信じるかによって考え方は様々です。そして、人間が存在する限りこれらの考え方の違いが無くなる事はないでしょう。

最後にすごく分かりやすい例えをネットで見かけたので紹介しておきます。

右翼はガンダムでいえばアムロ・レイ、仲間の為に闘い自分と異なる民族を攻撃する

左翼はガンダムでいえばシャア・アズナブル理想の為に闘い自分と異なる意見を攻撃する

中道はガンダムでいえばセイラ・マス自分の為に闘い右翼からも左翼からも攻撃される

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